かつて航空無線を聴くにはエアバンドが必須でしたが、今ではLiveATC (https://www.liveatc.net)というサイトでリアルタイムから過去のアーカイブまで手軽に聞くことができるようになりました🎵
航空無線ではパイロットと管制官の英語のやり取りを聞くことができますが、英語ができる人でも無線を聞き慣れていない人にとっては何が行われているか理解できません。航空無線を理解するには、「航空無線のイロハ」を覚える必要があります。
それが「フォネティックコード」になります。そんなに難しいものではなく、単にアルファベット26文字を無線電話で正確に伝えるために考えられたコードです。
フォネティックコード表
航空無線を聴いていると下の表のコードのいずれかが出てくるのがわかると思います。この表を覚えるだけで航空無線を聴く力がグンと上がります。
文字 | コード | 文字 | コード |
A | Alfa(アルファ) | N | November(ノーベンバー) |
B | Bravo(ブラボー🥳) | O | Oscar(オスカー🏆) |
C | Charlie(チャーリー🍫) | P | Papa(パパ👨) |
D | Delta(デルタ🔻) | Q | Quebec(ケベック🇨🇦) |
E | Echo(エコー🎵) | R | Romeo(ロミオ🕺) |
F | Foxtrot(フォクストロット) | S | Sierra(シエラ) |
G | Golf(ゴルフ🏌️♀️) | T | Tango(タンゴ) |
H | Hotel(ホテル🏨) | U | Uniform(ユニフォーム👚) |
I | India(インディア🇮🇳) | V | Victor(ビクター) |
J | Juliett(ジュリエット💃) | W | Whiskey(ウヰスキー🥃) |
K | Kilo(キロ) | X | X-Ray(エクスレイ🩻) |
L | Lima(リマ🇵🇪) | Y | Yankee(ヤンキー) |
M | Mike(マイク🎤) | Z | Zulu(ズールー) |
フォネティックコードの使い方
上のフォネティックコード表を使って英単語を表現してみよう!英単語をクリックすると答えが表示されます。
DOG 🐕(犬)
Delta Oscar Golf
(デルタオスカーゴルフ)
GIRAFFE 🦒(キリン)
Golf India Romeo Alfa Foxtrot Foxtrot Echo
(ゴルフインディアロミオアルファフォクストロットフォクストロットエコー)
EMERGENCY 🚨(緊急事態)
Echo Mike Echo Romeo Golf Echo November Charlie Yankee
(エコーマイクエコーロミオゴルフエコーノーベンバーチャーリーヤンキー)
いったん覚えてしまうと簡単に変換できます。日常会話でフォネティックコードがうっかり出てきたら航空マニアへの道まっしぐらです⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーン
フォネティックコードを使う理由
フォネティックコードは無線電話で言葉の聞き間違いを防ぐために作られました。無線電話はその特性から雑音が入りやすく、聞き取りにくい場合が多くあります。また携帯電話での通話と同じで目に見えない相手に物事を正確に伝えることは意外と難しいものです。
例えば、電話で買い物をお願いする時に、
☎️👧「ねぇ、さかな買ってきて!🐟」
と伝えたのに買ってきてくれたものが、【たかな(高菜)🥬】だったりするミスが起こることがあります( ・᷄ὢ・᷅ )y-~ネーヨ
→⭕️さ ✖️た
こんな時に 「さかなだよ!🐟さ・し・す・せ・その”さ”!だよ?」と確認していれば間違いは防げたはずです。
買い物のミスであればその日の献立が変わるだけで済みますが、飛行機の世界では言葉のミスが重大な事故につながることもあります。そのため航空無線を使う者は共通認識としてフォネティックコードを覚えており、間違いがないように会話をします。
聞き間違いに関係するよもやま話
航空無線とは関係のない話になりますが、1992年10月ハロウィンの時期にアメリカで起きた日本人留学生射殺事件をご存知でしょうか。
当時、アメリカへ留学中だった16歳の日本人高校生が、仮装した状態で現地の友人とハロウィンパーティへ向かった際、訪問する家を間違えて別の家のベルを鳴らしてしまった。家の持ち主であるピアーズは留学生を不審者と誤認し、拳銃を彼に向け「Freeze!(動くな!)」と警告した。
しかし留学生は”Please(こっちへ来い)”と聞き間違え、銃口を向けるピアーズへ近づいてしまった。指示と違う行動をされたピアーズは発砲し、日本人留学生はその場で射殺されました。
英語の聞き間違いが重大な事態につながる一例ですが、この事件のような落とし穴は航空無線の世界にもたくさんあります。航空無線では基本的に英語が使われますが、空には100カ国以上の国と地域出身のパイロットがいるため、同じ英語でも発音やイントネーションはさまざまです。
そのような中でも聞き間違いを防止し、安全を維持するためにフォネティックコードは有効な手段として昔から使われているんです。
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