世界の旅客機を支える日本の技術

こんにちは。

今回は旅客機の製造において日本の技術がどのくらい活用されているかを見ていきましょう。世界の旅客機の多くはアメリカのボーイング社製かヨーロッパのエアバス社製のどちらかになります。いずれも外国の航空機メーカーですね。ここでみなさんが疑問に思うのが「我らが技術立国日本はどうしたんだ!?日本では航空機を作っていないのか!」という点だと思います。日本では三菱重工が「三菱スペースジェット(旧MRJ)」を開発していますが、コロナ禍などもあり現時点では事実上の開発凍結状態でその先行きは不透明です。

日本では2022年現在、完成した旅客機を製造していません。しかし先ほどのボーイングやエアバスが製造する航空機の部品は実は日本製のものがたくさん使われています。

特にボーイングの最新機種B787はアメリカの飛行機であるにもかかわらず、その機体製造の35%が日本の会社に任されています。またB787は機体重量の約50%に炭素繊維強化プラスチック(以下、CFRP)を用いた革新的な機体としてデビューしましたが、そのCFRPを提供しているのが日本の繊維メーカーである東レ株式会社になります。CFRPは鉄と比べ重量が1/4と軽量にもかかわらず、強度は10倍という飛行機にうってつけの繊維素材です。

東レとボーイングの関係は1975年にB737の機体の一部に炭素繊維を提供したところから始まります。しかし当時は機体のほんの数%程度しか炭素繊維は使われなかったそうです。東レは改良を重ねていき、炭素繊維が機体部材に使われる箇所を少しずつ増やしていきました。そしてついにB787で機体重量の半分まで東レ製の炭素繊維を用いられるまでに信頼を高めることができたのです。

CFRPに関して言えば東レに次ぎ帝人も世界的シェアが高いです。しかしここ数年は両社ともコロナの影響で航空機分野の生産が滞っていました。コロナ禍が終わると、今後は特にCFRPを多く使った燃費の良い航空機の需要が多く見込まれます。コロナから回復した航空機業界でこの2社のこれからの活躍がとても楽しみですね。

今回は炭素繊維に着目しました。日本の製造業は完成した旅客機こそ生産できていませんが、日本の技術はボーイングやエアバスといった世界中を飛行している航空機に使われているのです。これらの技術をじっくり育て、いつか国産の旅客機が世界中を飛び回る日が来てほしいですね。


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