台風について

台風は熱帯低気圧の一種で、中心付近の最大風速が17.2m/s以上のものをいいます。台風は中心から同心円状に円を描いた等圧線になっており、天気図上でも目立つ存在です。

台風

出身地:西太平洋の北緯5度以北の暖かい海上

大きさ:直径数百kmから1000km、高さ10km以上

素材:大量の積乱雲、最大風速17.2m/s以上の風

好きなもの:26.5℃以上の暖かい海水

苦手なもの:陸域、冷たい海水

影響を受けるもの:太平洋高気圧、偏西風(北緯30度以北から)、偏東風(北緯30度以南まで)

特徴的な部位:台風の目、壁雲、スパイラルバンド、中心の上空に暖気核

台風の中心とは?

等圧線を解析してもっとも気圧の低いところが台風の中心です。台風の中心はその階層の高度で一番気温が高い場所になります。台風中心の雲のない場所である「台風の目」に入ると暴風雨がウソのように止みますが、目の中を通過してしまうと再び暴風雨に見舞われます。この時、台風の目に入る前と異なる方向から風が吹いてくるため、今まで飛ばなかったものが飛んできたりする危険があるため注意が必要です。これを「吹き返し」と言います。

目次

気象予報士試験でもよく出る「台風」

台風は日本に大きな影響を与える気象現象のため、気象予報士試験にも頻出のテーマです。

台風に関する主な出題内容
  • 台風の内部構造
  • 台風の風や温度の断面解析
  • 台風の進路予報・暴風域の影響を受ける期間の予想
  • 大雨や強風の予想
  • 波浪予報や高潮の予想
  • 災害や防災に関する知識
  • 台風の温帯低気圧化

台風は地上天気図では、多くの人が見つけることができるくらいわかりやすいものです。しかし高度10kmなど上層の天気図を見ていくと高度ともに低気圧が不明瞭になっていきます。

台風の相当温位の断面図

台風の中心付近を取り巻く積乱雲は対流活動がとても活発で相当温位の値が鉛直方向にほぼ一定になります。これは湿潤断熱変化が起きていることを意味します。

風台風と雨台風

台風には、風に特化した実力を持つ「風台風」と雨に特化した実力を持つ「雨台風」があります。台風を迎え撃つ時はどちらの能力に秀でた台風か特徴を知っておきましょう。敵を知り、己を知れば百戦して危うからずです。

  • 風台風・・・強風による建物の倒壊や停電による被害が大きな台風
  • 雨台風・・・大雨による河川の氾濫、浸水による被害が大きな台風

どちらの台風でも上陸時点では中心気圧が似ていたり、たどってきたルートにも大きな違いはなく、見分けるのは難しいです。風台風か雨台風を見分けるには、台風以外の気象環境を見る必要があります。

令和元年(2019年)の日本に大きな影響を与えた台風15号と19号という二つの台風がありました。2019年台風15号は9月に関東地方に上陸し、千葉県でゴルフ場のネットをなぎ倒すほどの強風をもたらしました。この台風15号は、風による被害が大きい「風台風」で、天気図上で見るとコンパクトなサイズで暴風域もとても小さいものでした。

同じ2019年の10月に台風19号が東日本を通過し、長野県千曲川の堤防を決壊させるほどの大雨をもたらしました。川の近くにあった北陸新幹線の車両センターが水没し、10編成の新幹線が水没廃車になった映像は記憶に新しいと思います。この台風19号は、大雨による被害が大きい「雨台風」でした。台風19号が通過する前に秋雨前線が東日本に存在していて、そこに台風が暖かく湿った空気を運んできたために大雨が起きたとされています。

台風は、台風以外に周囲の前線などの存在で被害状況が変わってきます。天気図全体から総合的に判断して被害を前もって予想することが大切ですね。

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