飛行機の上に着陸!?エアカナダ759便のニアミス

こんにちは。

今回はアメリカ・サンフランシスコ国際空港で発生したエアカナダ759便のニアミスについて見ていきましょう。

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まず空港には滑走路と誘導路があります。

滑走路は飛行機が飛び立つ時や着陸するとこに使う場所で空港では最も華やかで目立つステージのような場所ですね。

その反面危険もいっぱいあるのですが。

滑走路とは別に「誘導路」という場所もあります。

誘導路は飛行機が地上走行するために存在し、ここでは離着陸は行われません。

滑走路と誘導路はその使い道が明確に区別されているため、舗装の強度などつくりがそもそも違います。

もちろん飛行機が着陸してくる滑走路は誘導路よりも強い強度で作られています。

インシデントの概要

さて、本題に入りましょう。

今回のインシデントはエアカナダ759便(エアバスA320型機)のパイロットが滑走路に着陸するつもりが、滑走路と平行に作られている誘導路の方に着陸を試みてしまったころに問題がありました。

間違えて着陸を試みていた誘導路には離陸の順番を待っていた飛行機が4機も並んでいる状態であったため、もしエアカナダ759便が着陸を継続していたら合計5機が絡む航空事故史上最大の事故になっていました。

インシデントは2017年7月7日、夜のサンフランシスコ国際空港で発生しました。

エアカナダ759便はカナダのトロント・ピアソン国際空港を出発したのち、サンフランシスコ国際空港へ最終進入を行なっていました。

現地時間23時46分、エアカナダ759便はサンフランシスコ国際空港の滑走路28R(ライト)への着陸を許可されました。

この時、エアカナダ759便が着陸する滑走路の左に隣接する滑走路28L(レフト)は午後10時より閉鎖されており、滑走路内の灯火類は滑走路閉鎖を意味する”X”字の灯火以外全て消されていました。

エアカナダ759便の機長・副操縦士は両者とも進入すべき滑走路28Rを滑走路28Lと勘違いしており、本来着陸すべき滑走路28Rの右に隣接するC誘導路を28Rと誤認してC誘導路へ向けて進入していました。

その時、C誘導路上には離陸を待つ飛行機が4機存在していました。

エアカナダ759便の機長は空港に近づいていくにつれ、滑走路上(本当はC誘導路)に違和感を感じ降下を中止し復行をした。

目次

再接近時は4メートル?!

出典:アメリカ国家運輸安全委員会サイトより

こちらの画像は事故調査報告書の中にある写真です。

空港の建物から滑走路と誘導路写している写真ですが、今回の事故のエアカナダ機(ACA759)が誘導路上で離陸の順番待ちをしている飛行機(特にフィリピン航空PAL115)の直上を飛んでいるように見えます。

本来であればユナイテッド機(UAL1)やPAL115やUAL863がいる誘導路の手前にある滑走路をエアカナダ機は目指していなければいけなかったんですが💦(|||゚Д゚)

エアカナダ機は飛行機が地上待機している誘導路に間違えて着陸しそうになってしまい、最も近づいたフィリピン航空(PAL115)の機体とは最接近時に4mの空間しかなかったのではないかと言われています。

まさに紙一重ですね。

なぜパイロットは滑走路と誘導路を間違えてしまったのか

上の絵は滑走路へ着陸しようとするパイロットの目線から夜の飛行場を見た時の絵になります。

夜ですので当然ながら滑走路の路面などは見ることができませんが、滑走路の存在を示すための灯火が路面に設置されているんです。

手前から真っ直ぐ絵の奥の方へ点が伸びているのがわかります。

この一つ一つが路面に埋め込まれているライトであり飛行機に滑走路の場所や降下している高度や位置が適切かを示します。

絵の左手前から奥の方へ伸びているのがRunway 28R、つまり滑走路28Rのライトになり本来、着陸する飛行機はこのゾーンを目指さなければいけません。

ただ今回の事件では絵の右側に見える緑色のライトのゾーンを目掛けてエアカナダ759便は降下をしてしまったんですね。

当然ながら誘導路にもライトは設置されていますが、誘導路は地上を走行している飛行機に見えさえすればいいので上空から見ると滑走路のライトと比べて地味に見えますね。

通常であればパイロットは間違えるはずはないのですが、今回はパイロットが間違えうる状況がありました。

パイロットが疲労していた

事故当時、機長も副操縦士も時差ボケと休憩不足によりかなり疲労があったと事故調査報告書でも指摘がされている。

着陸誘導装置 ILSを使用していなかった

今回のインシデントがあった時間帯、サンフランシスコ国際空港では夜間のため周辺住民への騒音に配慮した運用として陸域を避ける到着ルートを選定していました。

このルートでは騒音軽減で陸域を避けるために滑走路に対して途中までは真っ直ぐに進入することができません。

そのためILSと言われる地上から出ている滑走路へのガイダンス電波を利用することができずにパイロットの目視に頼ることになってしまいました。。

サンフランシスコ国際空港の独特な空港レイアウトのため


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