気象予報士試験を終えて、また心新たに。短期予報解説資料を読んでいこう。

昨日は知る人ぞ知る気象予報士試験の日でしたが、受験した方はいかがお過ごしでしょうか?私も受けましたが、撃沈しました💥しかしここでめげずに改めて勉強をスタートすることが大切です。
気象予報士にチャレンジする方は1月の試験に向けて頑張っていきましょう!

今回の8月試験を受験するにあたり、集中的に勉強したことで地上天気図や高層天気図が少しずつ見えるようになってきました。そこでこれから次の試験日まで気象庁の予報官が発表してくださっている「短期予報解説資料」を読んでいきたいと思います。

目次

短期予報解説資料(2024年8月26日03時40分発表)

「明け方」に気象庁の方、お疲れ様です(*`・ω・´)ゞ

気象庁のHPからお借りしてきました↓↓↓短期予報解説資料です。

一文ずつゆっくり見ていってみましょう。

1.実況上の着目点

① 強い台風第 10 号が日本の南を発達しながら北西進。

東南アジアの地図を見ると⚪︎と◻︎に12とか24の数字が書かれていますね。これは、
 ⚪︎:低気圧
 ◻︎:高気圧
中に書かれている数字は、
 12:12時間後の位置
 24:24時間後の位置
 36:36時間後の位置 …….

といった意味になります。
九州の南に⚪︎から上下に線が1本ずつ出ているのは台風や熱帯低気圧のマークですね。

② 北日本付近はオホーツク海に中心をもつ高気圧と太平洋高気圧との間の気圧の谷となり、北日本から西日本にかけて、太平洋高気圧縁辺の下層暖湿気が流入。

→下の天気図では北方領土の北東に1020hPaの高気圧が見えます。また天気図の右側に半分見え隠れしているのは太平洋高気圧です。この縁辺を時計回りに回って日本列島に暖かくて湿った空気をもたらしているようですね。

大気の状態が不安定となり、局地的に対流雲が発達。

→「大気の状態が不安定」とは空気の上下方向の流れが活発になり大雨をもたらす雲ができやすくなります。
→対流雲とは、積雲や積乱雲のこと。特に積乱雲は大雨を降らせる危険な雲です。

特に、栃木県では記録的短時間大雨情報を発表、線状降水帯が発生。

→「記録的短時間大雨情報」とは、数年に一度程度しか発生しないような短時間の大雨を、観測したり、解析したりしたときに発表(気象庁HP)。
、とされています。専門知識の試験で「数年に一度」が「数十年に一度」と書かれていて正誤を問われたりするので要チェックです。
→「線状降水帯」もでき方がよく出題されますね。線状降水帯は積乱雲ができては風に流され、できては風に流されを繰り返し、積乱雲がライン状に並んだものです。ラインの下にある場所は大雨が長時間にわたり続くので非常に危険な気象現象です。

26 日明け方にかけて、土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重に警戒。

2.主要じょう乱の予想根拠と防災事項を含む解説上の留意点

① 1 項①の台風は、発達しながら 27 日にかけて日本の南を北西に進み、西日本~奄美地方に接近。西日本~奄美地方では 28 日にかけて次第に風が強まり、非常に強い風が吹き、九州南部では猛烈な風の 吹くおそれがある。

「非常に強い風」「猛烈な風」何気ない言葉に見えてもちゃんと定義づけられているんですよね。気象予報士試験でよく使うので覚えましょう。
 やや強い風・・・風速が10m/s以上15m/s未満の風。
 強い風・・・風速が15m/s以上20m/s未満の風。
 非常に強い風・・・風速が20m/s以上30m/s未満の風。
 猛烈な風・・・風速がおよそ30m/s以上、または最大瞬間風速が50m/s以上の風。

単位m/sをノットに直すときはそれぞれの数字を2倍にすればオッケーです。一応書くと、
 やや強い風・・・風速が20kt以上30kt未満の風。
 強い風・・・風速が30kt以上40kt未満の風。
 非常に強い風・・・風速が40kt以上60kt未満の風。
 猛烈な風・・・風速がおよそ60kt以上、または最大瞬間風速が100kt以上の風。

もう大混乱ですw

また、波がうねりを伴って次第に高くなって大しけとなり、猛烈なしけとなる所 がある。暴風やうねりを伴った高波に厳重に警戒。

「うねり」・・・風による発達がなくなった後に残された波(気象庁HP)
「大しけ」こちらも波高による基準があります。正確には気象庁の「波浪表」を見ていただきたいですが、ここではよく出る3つだけ紹介します。
 しける・・・波高が4mをこえ6mまで
 大しけ・・・波高が6mをこえ9mまで
 猛烈にしける・・・波高が9mをこえる

また、台風本体や台風東側の太平洋高気圧縁辺の 下層暖湿気が流れ込む影響で、西日本~東日本の太平洋側を中心に大雨となり、特に南東~南向き斜面で降水量が多くなる所がある見込み。

暖かく湿った空気が山にぶつかると山の斜面を滑昇して雲ができて大雨になります。実技試験では山の斜面の方角を意識して記述することが大切になります。

土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重に警戒。 落雷や竜巻などの激しい突風に注意。台風が転向する 27 日から 28 日は台風の動きが遅くなるため、 西日本太平洋側を中心に猛烈な風や波となる時間が長引いたり、雨量がかなり多くなるおそれがあることに留意。

台風が「転向」とは、西寄りに進んでいた台風が東寄りまたは北寄りに進路を変えることを言います。進路が変わったところを「転向点」と言います。

② 500hPa5820m付近のトラフが26日夜には黄海に進み、日本海から千島近海にかけて500hPa5820m付近の強風軸に対応する前線が顕在化。

24年8月26日9時の地上天気図(気象庁HPより)
24年8月26日9時の500hPa高層天気図(気象庁HPより)

26日9時の天気図になりますが、地上天気図の停滞前線と500hPa天気図の強風軸が対応していることが見えますね。


500hPa天気図の強風軸は、正渦度と負渦度のエリアの境界にあります。このとき正渦度が北で負渦度が南にあるところに限ります。図では縦線で塗られているエリアが正渦度エリアを示します。

日本海を次第に南下し、28 日にかけて対馬近海から北海道にかけて停滞。前線に向かって、台風周辺や太平洋高気圧縁辺の下層暖湿気が流入するため、西・東日本 日本海側や北日本でも大雨となる所がある。土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水に注意・警戒。

③ 北日本を中心に、26 日は太平洋高気圧縁辺の下層暖湿気と日射による昇温で、大気の状態が非常に不安定となる所がある。落雷や竜巻などの激しい突風、降ひょうに注意。

3.数値予報資料解釈上の留意点

総観場は GSMを基本、降水分布は MSMやLFMも参考とするが、台風については最新の台風情報を参照。

4.防災関連事項 [量的予報等]

① 雨量(06 時からの 24 時間):東海 150、近畿 120、四国 100mm。

② 波浪(明日まで):九州南部9、奄美8、四国・九州北部5、近畿・沖縄4、その他広く3m。

③ 高潮(明日まで):西日本~北日本で注意報基準を超過する所がある。

5.全般気象情報発表の有無

「台風第 10 号に関する情報(総合情報)」を 5 時頃に発表予定。

このような具合に、私の学習として短期予報解説資料を見ていけたらいいなと思います。お付き合いいただけたら嬉しいです。


よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次