短期予報解説資料を読もう!24年9月15日

おはようございます☀️

今日も気象庁発表の短期予報解説資料を読んでいきましょう。

目次

短期予報解説資料 2024年9月15日03時40分発表

短期予報解説資料2024年9月15日03時40分発表(抜粋)

1.実況上の着目点


① 台風第13号は、15日 3時に強い勢力となり発達しながら東シナ海を北西進。

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9月14日21時の台風13号

14日21時の段階では、まだ最大風速60ktで、台風の階級としては上から2番目の「STS(Severe Tropical Storm)」。

STEP
9月15日3時の台風13号 台風アップグレード

6時間後の15日3時になり、台風13号は最大風速が65ktになり、「STS」→「T (Typhoon)」へ階級がグレードアップしました。

(台風)強い勢力・・・最大風速33m/s(64ノット)以上 44m/s(85ノット)未満

南西諸島は台風本体の下層暖湿気の影響で、大気の状態が非常に不安定となり、雷を伴い非常に激しい雨を解析、メソサイクロンを検出し、竜巻注意情報を発表。非常に強い風が吹き、うねりを伴い大しけとなっている所がある。

メソサイクロン(mesocyclone)とは、スーパーセルと呼ばれる発達した積乱雲において発生する、小規模な低気圧性の循環構造のことを言います。大きさは直径2-10km程度。

出典:気象庁資料より


② 西~東日本の太平洋側では、台風周辺の下層暖湿気の影響で、大気の状態が不安定となり、雷を伴い激しい雨を解析。また、気圧の傾きが大きくなり、やや強い風が吹き、しけている所がある。

やや強い風・・・風速が10m/s以上15m/s未満の風。

しける・・・波高が4mをこえ6mまで


③ 沿海州付近を東進する500hPa 5580~5700mのトラフに対応して、前線を伴った低気圧が日本海を東北東進。低気圧や前線に向かう下層暖湿気の影響で、大気の状態が不安定となり、雷を伴い激しい雨を解析。また、気圧の傾きが大きくなり、強い風が吹き、波がやや高くなっている所がある。

2.主要じょう乱の予想根拠と防災事項を含む解説上の留意点


① 強い台風第13号は、15日は発達しながら東シナ海を西北西進、16日は華中に進んで熱帯低気圧に変わる。南西諸島や西~東日本の太平洋側では、15日はやや強い風や強い風が吹き、15日朝にかけて大しけとなる所があり、その後も16日にかけて波が高い状態が続く。また、台風周辺の下層暖湿気の影響で、大気の状態が不安定となり、雷を伴った激しい雨が降り大雨となる所がある。土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫、高波に警戒し、落雷や竜巻などの激しい突風、強風に注意。

 やや強い風・・・風速が10m/s以上15m/s未満の風。
 強い風・・・風速が15m/s以上20m/s未満の風。

 大しけ・・・波高が6mをこえ9mまで

激しい雨・・・1時間雨量が30mm以上50mm未満


② 西~東日本の太平洋側では、15日は台風周辺の下層暖湿気の影響で、雷を伴い非常に激しい雨が降り大雨となる所がある。土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に警戒し、落雷、突風に注意。

予想天気図気象レーダー, 2024/09/15 13:00 (UTC+09:00), © Ventusky.com

③ 1項③の低気圧(日本海上)は、15日は発達しながら北日本を通過し千島の東へ進み、前線が北~東日本を南下。16日は前線が東日本付近に停滞する。前線や低気圧に向かう下層暖湿気や日射による昇温の影響で、大気の状態が非常に不安定となり、雷を伴った非常に激しい雨が降り大雨となる所がある。北日本では15日は、東日本では16日にかけて、土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に警戒し、落雷や竜巻などの激しい突風、降ひょうに注意。また、北日本では15日は、強風にも注意。

3.数値予報資料解釈上の留意点

総観場はGSMを基本、量予想や降水分布はMSMやLFMも参考。

4.防災関連事項[量的予報等]

① 雨量(06時からの24時間):四国150、九州南部120、東北・関東甲信・北陸・近畿100mm。

② 波浪(明日まで):奄美6、九州南部・沖縄5、四国・九州北部4、東海・近畿3m。

③ 高潮(明日まで):大潮の時期。西~東日本で注意報基準を超過する所がある。

5.全般気象情報発表の有無

「台風第13号に関する情報(総合情報)」及び「大雨と雷及び突風に関する全般気象情報」を5時頃に発表予定。

短期予報解説資料 2024年9月15日15時40分発表

短期予報解説資料2024年9月15日15時40分発表(抜粋)

1.実況上の着目点


① 沿海州には、500hPa 5580~5760mのトラフがあって東進。対応する低気圧が千島近海を東北東進しており、前線が東北地方を通り朝鮮半島南部にのびている。低気圧や前線に向かって、下層暖湿気が流入しており、9時の秋田高層観測では、850hPa θe348Kを観測。東北地方や北陸地方では約50mm/hの非常に激しい雨の所があり、雷も多数検知している。

上の500hPaの天気図で沿海州に赤く塗ったところが500hPaのトラフと考えられます。千島近海にある地上の低気圧とも対応しそうな位置関係にあると思います。でも自信がないので間違えていたらご指摘していただけたら幸いです🙇‍♀️


② 西日本には、日本の南に張り出す高気圧縁辺を回る暖湿気が流入しており、太平洋側を中心に対流雲が発達し、20mm/hの強い雨の所があり、雷も検知している。

予想天気図気象レーダー, 2024/09/15 18:00 (UTC+09:00), © Ventusky.com


③ 強い台風第13号は、東シナ海を北西へ進んでいる。南西諸島や九州周辺ではしけの所があり、西~東日本の太平洋側ではうねりを伴い波が高い所がある。

出典:気象庁

南西諸島付近と九州の南は台風13号の影響で波が高くなっていますね。北海道や東北地方の東側は、温帯低気圧と前線の影響で波が高くなっているようです。

2.主要じょう乱の予想根拠と防災事項を含む解説上の留意点


① 1項①の低気圧は、16日は千島の東に進む。ここからのびる前線が東北地方を南下し、16日は東日本~日本海西部にほとんど停滞する。

出典:気象庁

15日に東北地方にあった秋雨前線は関東地方まで南下してきました。前線が南下してきて関東地方は雨が降りそうですね。一方、北海道は移動性の高気圧に包まれて晴れそうです。

前線近傍には850hPa θe345K以上の下層暖湿気が流入しており、また1項②の日本の南に張り出す高気圧縁辺を回る下層暖湿気が流入する。

上の850hPa天気図のオレンジ色の線が345Kの等相当温位線です。北陸と関東地方まで下層暖湿気が伸びてきているのがわかります。

東北地方は15日、東日本では16日にかけて、日中の気温上昇の影響も加わり、大気の状態が不安定となるため、16日にかけて、雷を伴い、激しい雨や非常に激しい雨が降り、大雨となる所がある。土砂災害に厳重に警戒し、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に警戒。また、西日本や南西諸島でも、1項②の下層暖湿気の影響で16日にかけて大気の状態が不安定となる。落雷や突風、降ひょうに注意。前線近傍にあたる東北地方や北陸地方では、15日は大気の状態が非常に不安定となるため、竜巻などの激しい突風にも注意。

② 台風第13号は、16日朝には華中に進み、その後、17日朝までに熱帯低気圧に変わる見込み。南西諸島や西~東日本では台風の影響が残るため、15日は波やうねりの高い所ある。また、南西諸島や西日本では16日は、吹送距離の長いやや強い東よりの風の影響で波やうねりが高い。高波に注意。


③ 300hPa 9720m付近に-30°C以下の寒気を伴う上層寒冷低気圧が、16日に小笠原諸島、17日は南西諸島に接近する。小笠原諸島では16日、南西諸島では17日は大気の状態が不安定となるため、雷を伴い激しい雨の降る所がある。落雷や突風、短時間強雨に注意。

9月15日9時(日本時間) 300hPa天気図

上の図の赤いところに-30℃以下の寒気をともなう上層寒冷低気圧(Upper Cold Low; UCL)があるのがわかりますね。これがどんどん南西諸島の方に近づいていくそうです。


3.数値予報資料解釈上の留意点

総観場はGSMを基本、量予想や降水分布はMSMやLFMも参考。

4.防災関連事項[量的予報等]

① 雨量(18時からの24時間):関東甲信・四国100mm。

② 波浪(明日まで):九州南部・奄美・九州北部4、沖縄・四国・近畿3m。

③ 高潮(明日まで):大潮の時期。西~東日本、南西諸島で注意報基準を超過する所がある。

5.全般気象情報発表の有無

「大雨と雷及び突風に関する全般気象情報」を17時頃に発表予定。

おまけ

今日のFXJP854天気図で相当温位を見よう

昨日もFXJP予想天気図で相当温位を見ましたが、今日も見てみましょう。

相当温位とは、その空気の温度と含まれている水蒸気量から、その空気塊がどれだけ軽くて上空に上がりやすいかを数値化した指標です。相当温位の値が高いほど軽くて浮き上がりやすく、上空に行くに従って相当温位が高い方が大気が安定していることになります。

9月15日21時から17日9時まで12時間毎に左上→右上→左下→右下といった順番で予想された850hPaの相当温位と風の天気図です。

はじめに目に留まるのは、東シナ海周辺にある台風13号です。赤色で塗られているところは354K(ケルビン)以上の高い相当温位の領域で、台風13号が暖かい空気と多量の水蒸気を含んでいることがわかります。ただ大陸に上陸した後から高相当温位のエリアが崩れ始め、17日9時には円形の高相当温位のエリアを保てなくなってクロワッサンのような形になっているのがわかります。海からの水蒸気の供給がなくなり、水が減る一方になってしまったためでしょうね。

また右下の17日9時の予想図では日本の南の太平洋上に360K以上の高相当温位の赤いエリアが新しく出てきたのがわかります。相当温位の値と形だけ見ると台風のたまごかもしれませんね。これからの動向に注目が必要です。

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