短期予報解説資料を読もう!24年9月2日

おはようございます。

台風10号は熱帯低気圧変わりましたが、台風11号が新たに生まれたり、気象の変化は息つく暇がありませんね。

今日も気象庁発表の短期予報解説資料を読んでいきましょう。

目次

短期予報解説資料 2024年9月2日03時40分発表

主要じょう乱解説図

24年9月2日03時40分発表 (出典:気象庁HP)

訂正箇所:2項1に前線上の低気圧発生の記述を追加。

1.実況上の着目点


① 台風第 10 号から変わった熱帯低気圧が紀伊半島付近にあって、ゆっくり北上。熱帯低気圧周辺の雨雲や日本のはるか東に中心を持つ太平洋高気圧の縁辺を回る下層暖湿気が流入し、西~東日本では、大気の状態が非常に不安定となっており、1 時間 20~40mm の雨量を 解析、雷を検知。

予想天気図地上2 m , 2024/09/02 09:00 (UTC+09:00), © Ventusky.com

ventuskyの上のアニメーションを見ると、日本のはるか東に時計回りの渦の中心があります。これが太平洋高気圧の中心です。白いところは、概ね湿度70%以上の湿度の高い場所で、北海道の道東周辺を除く日本列島のほとんどが湿度70%以上であることがわかります。これは太平洋高気圧の縁辺流が日本の南の海上から暖かくて湿った空気を運んでいるからです。地表付近に上空に上がりたくてうずうずしている暖かく湿った空気が流れ込んでくるのは、大気の状態を不安定にする原因になります。

1 時間 20~40mm の雨量←強い雨から激しい雨
強い雨・・・1時間雨量が20mm以上30mm未満
激しい雨・・・1時間雨量が30mm以上50mm未満

これまでの大雨により、西~東日本の太平洋側を中心に土砂災害の危険度が高まっている所がある。


② オホーツク海付近には 500hPa -21°C以下の寒気を伴った 5400m 付近の寒冷渦があって、ほぼ停滞。

上の図は9月2日9時ごろの500hPaの気温の予想です。北側に青く塗った部分が -21度以下のエリアです。中心には寒気の中心を示す「C」のマークも書かれており、周囲と比べて気温が低いようですね。

下の図も同じ時刻の500hPa面の等高度線の図です。同じように北側の青い部分が5,400m以下と周囲と比べて高度が低く、低気圧が存在していることがわかります。上の図の気温が -21度以下の寒気がある場所と、下の図の5,400m以下の低気圧がある場所が同じであり、冷たい低気圧、つまり寒冷渦が青いところにあると確認できます。

対応する低気圧がオホーツク海にあって、低気圧からのびる前線がカムチャツカ半島、日本の東を通って東日本へのびている。

予想天気図気温, 500 hPa, 5500 m, 2024/09/02 09:00 (UTC+09:00), © Ventusky.com

ventuskyで2日9時の500hPaの風を見てみましょう。左上に反時計回りの低気圧の渦が見えます。これが寒冷渦。

カムチャツカ半島(右上の大きな半島)→千島列島→北海道の南側→東日本へのびている前線も描いてくれてますね。

また、中国東北区には 500hPa -6°C以下の寒気を伴った 5700~5820m のトラフがあって、南東進。

中国東北区は黄色く塗られたエリア 出典:気象庁HP (編集あり)


2.主要じょう乱の予想根拠と防災事項を含む解説上の留意点


① 1 項①の熱帯低気圧は、本州付近を北上し 2 日朝までには衰弱し、2 日夜までには前線上に新たに低気圧が発生する。

1 項②の前線は、2 日は西日本~東北地方付近へのび、3 日にかけて本州付近を南下し、4 日にかけて伊豆諸島付近に停滞する。

低気圧や前線に向かって 1 項 ①の高気圧の縁辺から下層暖湿気が流入し、西~北日本では大気の状態が非常に不安定となり、雷を伴った激しい雨や非常に激しい雨が降り、大雨となる所がある。

また、東日本太平洋側を中心に、これまでの大雨により土砂災害の危険度が高まっている所があり、少しの雨でも土砂災害の発生するおそれがあることに留意。東日本や東北地方では、2 日は土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重に警戒。

西日本や北日本では、2 日は、土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に警戒し、落雷や竜巻などの激しい突風に注意。また、低気圧や前線近傍では、気圧の傾きが大きくなり、強い風が吹いて、波が高くなる所がある。西~北日本では、3 日にかけて強風や高波に注意。
② 1 項②の 500hPa -6°C以下の寒気を伴ったトラフは、4 日にかけて日本付近へと進む。日本付近は、4 日は次第に日本海に中心を持つ高気圧に覆われ、晴れる所が多い。西~東日本では、4 日にかけて上空寒気と滞留する下層暖湿気、日射による昇温の影響により、大気の状態が不安定となる所がある。落雷や突風、急な強い雨、局所的には竜巻などの激しい突風に注意。

3.数値予報資料解釈上の留意点

総観場は GSM を基本、量予想や降水分布は MSM や LFM も参考。

4.防災関連事項 [量的予報等]

①雨量(06時からの24時間):東北地方120、東海100mm。

②波浪(明日まで):東北 3m。

③高潮(明日まで):大潮の時期。西~東日本では注意報基準を超過する所がある。

5.全般気象情報発表の有無

「大雨と雷及び突風に関する全般気象情報」を 5 時頃に発表予定。

おまけ😜

オホーツク海ってどのあたり?🦀🐟

オホーツク海というと北海道周辺にあってカニやホタテなどの美味しい魚介類が獲れる海という印象ですが、北にどこまで伸びているのかあまり意識したことがありませんでした。今回、ロシアにある低気圧を見たときにオホーツク海がどの海域を指すのか気になったので調べてみました。

世界の海域の境界と名称を記載した『大洋と海の境界』の編集・出版を手がける国際機関である国際水路機関(IHO)では、オホーツク海を下の図の海域に定義しています。

出典:国際水路機関(IHO)

南は北海道の納沙布岬周辺まで、そこから千島列島沿いに北東のカムチャッカ半島まで。南西側は北海道の北端の稚内周辺にあるノシャップ岬(納沙布岬と混同注意)の東側までがオホーツク海のようです。個人的にノシャップ岬の西の海域もオホーツク海だと思っていましたorz

天気記号クイズ🥳

毎日、少しずつ天気記号を覚えていこう!

問題1 下の天気記号はどのような天気の状態を示しているでしょうか?

ただの丸に見えますが、とても基本的な天気記号ですね。

答え

正解は、「雨」です。☔️

中学校で習ったり新聞の天気図でもこの記号が使われていますね。この記号を雨の基本としてさまざまな派生型があるので、覚えていきましょう。

問題2 下の天気記号はどのような天気の状態を示しているでしょうか?

雨の記号にしっぽが生えた形ですね。

答え

正解は、「霧雨」です。

雨のお友達らしい形でわかりやすいですね。

ところで霧雨の定義はわかりますか?

気象庁のHPでは、霧雨とは、「微小な雨滴(直径0.5mm未満)による弱い雨。」とされています。「直径0.5mm未満」の部分なんて気象予報士試験でいかにも出てきそうですね。

似たような問題で「あられ」と「ひょう」の違いを聞かれることもあります。こちらも大きさの違いで、ひょうの方が大きいのですが、具体的な大きさの数値は明日、ご紹介したいと思います。

問題3 下の天気記号はどのような天気の状態を示しているでしょうか?

これも空から降ってくるものですね。

答え

正解は、「雪」です☃️

夏場には馴染みの薄い記号ですが、冬になったら天気図で見てみたいですね。

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