おはようございます🌤️
今日も気象庁発表の短期予報解説資料を読んでいきましょう📕
短期予報解説資料 2024年9月21日03時40分発表
主要じょう乱解説図
中国に行ったはずの台風14号は東の方に戻ってきて対馬海峡を通って日本海の方へ進みます。その途中で温帯低気圧に変わり、日本の東西に伸びている秋雨前線に合流するそうです。温帯低気圧に変わったとはいえ、元台風14号はまだ強い力を持っており、秋雨前線と組むことで凶暴化する可能性があります。
1.実況上の着目点
① 低気圧が日本海にあって、東進。前線が、東シナ海から東北地方を通って日本のはるか東にのびている。前線や低気圧に向かって、東シナ海を北東に進む台風第14号周辺や太平洋高気圧の縁辺から下層暖湿気が流入し、大気の状態が不安定となっており、対馬海峡周辺や北陸地方では雷を検知し1時間に30~50mmの激しい雨や非常に激しい雨を解析。また、西~北日本では、やや強い風が吹き、波が高くなっている所がある。
② 熱帯低気圧が先島諸島付近にあって、北西進。沖縄の南では熱帯低気圧周辺の下層暖湿気の影響で、激しい雨を解析。また、南西諸島ではやや強い風が吹き、波が高くしけている所がある。
2.主要じょう乱の予想根拠と防災事項を含む解説上の留意点
① 1項①の低気圧は、21日夜には北日本へ進み、その後不明瞭化する。1項①の台風は21日午後には前線に取り込まれ温帯低気圧化し東北東進、22日夜には日本の東へ進む。前線や低気圧に向かって、太平洋高気圧の縁辺を回る下層暖湿気が流入し、大気の状態が非常に不安定となり、雷を伴い非常に激しい雨が降り大雨となる所がある。
上の図は気象庁で定義されている日本周辺の地名や海域の名前です。短期予報解説資料で言う「北日本」とは北海道と福島県以北の東北地方のことを指します。
9月21日の12時から21時の間に、東シナ海周辺にいた台風14号は、現在日本を横断している秋雨前線の中に吸収されて温帯低気圧化します。最大風速が弱まったことで台風でなくなったとしても全く油断はできません。南から温かく湿った空気を運んでくるパワーは健在で、その空気が前線を刺激し、秋雨前線周辺は大雨になりそうです。
西~東日本、東北地方では22日にかけて、土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重に警戒し、落雷や竜巻などの激しい突風、降ひょうに注意。また、前線や低気圧周辺では気圧の傾きが大きくなり、非常に強い風が吹き、波が高くなりしけとなる所がある。九州北部地方と東北地方では22日にかけて暴風に警戒。西~北日本では23日にかけて、強風や高波に注意。
② 1項②の熱帯低気圧は東シナ海を北西に進み、22日朝までに1項①の前線に取り込まれ不明瞭化する。南西諸島では熱帯低気圧周辺と1項①の前線に向かい流入する下層暖湿気の影響で、大気の状態が不安定となり、雷を伴い激しい雨が降り大雨となる所がある。また、気圧の傾きが大きくなり、風が強く吹き、波が高くなりしけとなる所がある。南西諸島では23日にかけて、強風や高波、土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水、落雷や突風、急な強い雨に注意。
3.数値予報資料解釈上の留意点
総観場はGSMを基本、量予想や降水分布はMSMやLFMも参考。
4.防災関連事項[量的予報等]
① 雨量(06時からの24時間):九州北部180、東北・北陸・中国・四国150、東海・九州南部100㎜。
② 波浪(明日まで):東北・九州北部5、北海道・関東・伊豆諸島・北陸・近畿・中国・沖縄4、東海・四国・奄美3m。
③ 高潮(明日まで):大潮の時期。西~北日本で注意報基準を超過し、西~東日本では警報基準に近づく所がある。
5.全般気象情報発表の有無
「大雨と雷及び突風に関する全般情報」を5時頃に発表予定。
FXJP854で850hPa等相当温位線を見てみよう
上の図は左上の9月21日21時から右下の9月23日9時までの850hPa等相当温位線の予想図です。オレンジ色の内側(南西側)が相当温位が345K以上と比較的高いエリアで南西から北東へ時間が経つにつれて伸びていっています。相当温位は数字が高いほど暖かく湿っていることを示すため、暖かく湿った空気が北東の方へ徐々に流れこんできている事がわかります。南西側から北東の方へツノのように尖っている部分が、舌が伸びているように見えるため、「湿舌(しつぜつ)」と呼びます。
湿舌は大雨をもたらす
湿舌が形成されると南からの暖かく湿った空気が舌の先端に向けてどんどん送られて収束します。行き場を失った暖かく湿った空気が上空へ逃げる過程で積乱雲ができて大雨が降る可能性があります。FXJP854天気図で湿舌を見つけたら大雨に注意しましょう。
ちなみにventuskyで9月22日21時の降水量の予想を見てみましょう。
前線に沿うように南側に帯状の降水域があるのがわかりますね。日本の東には元台風14号と思われる温帯低気圧もありますね。そして次の画像は同時刻のFXJP854天気図の等相当温位線です。
ventuskyのアニメーションでの降水域に湿舌が対応しているように見えますね。湿舌の先端にはちょうど地上温帯低気圧の中心が対応して、最も降水量が多いように見えます。低気圧の南側には風速50kt以上の風が吹いている場所があります。850hPaで50kt以上の風は強い風に位置付けられ、「下層ジェット」と呼ばれ大雨がふる兆候と言われます。
また日本列島上に等相当温位線集中帯があります。等相当温位線集中帯の南側には、850hPaの前線が存在し、さらにその近くに地上の前線もあることを再度、確認しておきましょう。
石川県で大雨特別警報
洪水キキクル
秋雨前線による大雨のため、石川県に大雨特別警報が気象庁によって出されました。線状降水帯も発生しており、大雨が続いています。気象庁のサイトで洪水キキクルなどを見て危険度が高い場所を確認しましょう。
上の図は洪水キキクルの画像です。黒・紫・黄・水色などで描かれている線は川の場所で、黒色が最も危険な場所です。黒色の場所は警戒レベル最上級の【警戒レベル5】で、洪水災害が切迫、あるいはすでに洪水が発生している可能性が高い場所になっています。避難所へ移動することもすでに危険な状態である可能性が高く、近くの安全な場所で身の安全を確保することを最優先にすべきフェーズです。具体的には下の画像のようになっています。
警戒レベル5になってしまう前の段階で避難を完了できるように、気象庁や自治体からの情報を随時積極的に取るようにしましょう。
雨量
上の画像は、午前10時前の能登半島の3時間降水量です。紫色のところが最も降水量が多く、3時間で190mmの降水量の場所もありますね。
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