短期予報解説資料を読もう!24年9月28日

おはようございます☀️

今日も気象庁発表の短期予報解説資料を読んでいきましょう。

目次

短期予報解説資料 2024年9月28日03時40分発表

主要じょう乱解説図

短期予報解説資料2024年9月28日03時40分発表(編集あり)

1.実況上の着目点


① 前線が種子島・屋久島地方の東海上から本州の南岸付近を通り、日本のはるか東にのびている。四国の南の熱帯低気圧は、前線と一体化し温帯低気圧に変わり東北東進。また、前線上の関東の東には低気圧があって東北東進。低気圧や前線の近傍及びその暖域側では、大気の状態が非常に不安定となっており、四国の南~東海道沖では、1時間90mm以上の猛烈な雨、伊豆諸島付近の海上では、1時間30mmの激しい雨を解析。雷を多数検知。

出典:気象庁(編集あり)

熱帯低気圧は、暖かい空気だけで構成されており、前線という暖かい空気と冷たい空気の境目に一体化した低気圧は温帯低気圧となります。

猛烈な雨・・・1時間雨量が80mm以上
激しい雨・・・1時間雨量が30mm以上50mm未満


② フィリピンの東には熱帯低気圧があって発達しながら南下。熱帯低気圧本体やその周辺では大気の状態が不安定となっている。南西諸島付近の海上では、1時間60mm以上の非常に激しい雨を解析。雷を多数検知。奄美の南東海上ではメソサイクロンを検出。

メソサイクロンは巨大な積乱雲の中にある上昇気流域のことです。この上昇流域は北半球では反時計回りの回転をしているため、雨の粒子の動きを捉えることができるドップラーレーダーで探知することができます。メソサイクロンを見つけたら注意しなければいけないことは、竜巻です。メソサイクロンの上昇気流が竜巻を生み、局所的ではありますが家を破壊するほどの大きな被害をもたらすため注意しましょう。

非常に激しい雨・・・1時間雨量が50mm以上80mm未満

③ マリアナ諸島には台風第17号があって、ゆっくり西進。

マリアナ諸島はサイパンやグアム島が含まれている島々です。台風17号はチェービーという名前がつけられており、韓国語で「つばめ」を意味します。なかなかいい名前ですね。

2.主要じょう乱の予想根拠と防災事項を含む解説上の留意点


① 1項①の前線は、南西諸島から日本の東にのびて、29日にかけて日本の南をやや南下する。1項①の関東の東の低気圧は、29日にかけて日本の東を東進。また、1項①の前線と一体化した低気圧は北東進し、28日夜には東海沖まで進む、その後、29日朝にかけて伊豆諸島付近を通過しキンクに変わる。低気圧や前線に向かって高気圧の縁辺を回る下層暖湿気が流入し、低気圧や前線の近傍では、大気の状態が非常に不安定となるため、雷を伴った激しい雨や非常に激しい雨が降り、大雨となる所がある。東日本太平洋側では28日は、土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に警戒し、落雷や竜巻などの激しい突風、降ひょうに注意。また、1項③の北上する台風の影響で、伊豆諸島や小笠原諸島では29~30日は、土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水、落雷や突風に注意。局地的に竜巻などの激しい突風に注意。

出典:気象庁(編集あり)


② 2項①の低気圧や前線と2項①の高気圧や沿海州付近の高気圧との間で、南西諸島~東日本では気圧の傾きが大きくなり、やや強い風や強い風が吹いて、波が高くなり、30日はしけとなる所がある。南西諸島~東日本では30日にかけて、強風や高波に注意。

やや強い風・・・風速が10m/s以上15m/s未満の風。
強い風・・・風速が15m/s以上20m/s未満の風。

しける・・・波高が4mをこえ6mまで

③ 1項②の熱帯低気圧は発達しながら南下し、28日朝までに台風になる見込み。熱帯低気圧周辺の暖かく湿った空気が流入し、大気の状態が非常に不安定となる。南西諸島では30日にかけて、土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水、落雷や突風に注意。局地的に竜巻などの激しい突風に注意。

1項②のフィリピンの東の熱帯低気圧は台風18号になります。台風18号の名前は、クラトーン。タイの言葉で果物のサントールを意味します。

3.数値予報資料解釈上の留意点

総観場はGSMを基本、量予想や降水分布はMSMやLFMも参考。

台風第17号については、今後の台風情報に留意。

4.防災関連事項[量的予報等]

① 雨量(06時からの24時間):伊豆諸島200mm。

② 波浪(明日まで):関東・伊豆諸島・沖縄3m。

③ 高潮(明日まで):東日本では注意報基準を超過する所がある。

5.全般気象情報発表の有無

発表の予定はない。

停滞前線の南と北はどちらが雲ができる?

よく前線があると雲ができて天気が悪くなると言いますが、梅雨前線や秋雨前線では前線の北と南で雲の出来具合が違うことがわかります。下のアニメーションはventuskyでの秋雨前線の様子ですが、明らかに前線の南側で降水が多く発生していることがわかると思います。

予想天気図降水量 3時間, 2024/09/28 09:00 (UTC+09:00), © Ventusky.com

なぜ前線の南側の方が雲が発生して雨が降りやすいかというと、前線に向かって南と北から空気が流れていますが、北半球では南の空気の方が相対的に温度が高く湿気を多く含んでいるため、南からの空気の方が雲を作るための材料が多く揃っているわけです。前線で北の空気と南の空気がぶつかって上昇した際に南側の空気の方が雲をたくさん作るポテンシャルを多く持っているということですね。

したがって停滞前線を見つけた際は、前線の南側に広範囲に雨が降っていることをイメージしましょう。

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