短期予報解説資料を読もう!24年9月5日

おはようございます🌤️

今日も気象庁発表の短期予報解説資料を読んでいきましょう。

目次

短期予報解説資料 2024年9月5日03時40分発表

主要じょう乱解説図

24年9月5日03時40分発表短期予報解説資料より抜粋

1.実況上の着目点


① 前線がアリューシャン近海~日本の東~伊豆諸島付近にのびており、前線上の関東の東に低気圧が停滞。

出典:気象庁(編集あり)

日本の東を東北東進する 500hPa 5820m 付近のトラフと、前線や低気圧に向かう下層暖湿気の影響で、前線近傍では激しい雨を解析。

24年9月4日21時JST 500hPa天気図(編集あり)
予想天気図降水量 3時間, 2024/09/04 21:00 (UTC+09:00), © Ventusky.com

ventuskyのアニメーションから日本の東の海上で前線周辺に南からの暖湿気で雨が降っているのがわかりますね。

激しい雨・・・1時間雨量が30mm以上50mm未満

② 500hPa 5580~5640m 付近のトラフに対応する低気圧が、前線を伴って中国東北区を東北東進。

筆者

この500hPaトラフがいつもうまく解析できないんです…ごめんなさい


③ 沖ノ鳥島付近に熱帯低気圧が停滞。


④ 非常に強い台風第 11 号が南シナ海を西進。台風や③の熱帯低気圧周辺の下層暖湿気の影響で、沖縄の南で発雷を検知、南西諸島では激しい雨を解析。

2.主要じょう乱の予想根拠と防災事項を含む解説上の留意点

① 1 項①のトラフは5日夜にかけて千島の東へ進み、前線上の低気圧は 5 日朝までに、前線も 5 日夜 までに日本の東へ進んで不明瞭になる。

24年9月5日21時(JST) 500hPa


② 1 項②のトラフは 5 日はサハリン付近へ、6日はカムチャツカ半島へ進む。また、アムール川上流域の 500hPa 5700m 付近のトラフが 5 日は沿海州付近へ、6 日は北日本を通過して千島の東へ進む。

1 項②の低気圧は、5 日夜にはサハリン付近へ進み、6 日は閉塞しながらオホーツク海へ進む。

24年9月5日21時(JST) 500hPa

また、6 日夜までに閉塞点上に発生する低気圧がカムチャツカ半島へ進んで、寒冷前線が北日本を通過する。

低気圧や前線に向かう下層暖湿気に、上空寒気の影響も加わり、北日本では大気の状態が不安定となり、激しい雨が降って大雨になる所がある。前線や低気圧周辺では気圧の傾きが大きくなり、強い風 が吹き、波が高くなる所がある。

北日本では 6 日にかけて、土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水 や氾濫に警戒し、落雷や突風、降ひょう、強風や高波に注意。


③ 1 項③の熱帯低気圧は、6 日にかけて沖ノ鳥島付近にほとんど停滞する。


④ 1 項④の台風は 6 日にかけて、発達しながら南シナ海を西北西進する。

南西諸島では、引き続き台風や 2 項③の熱帯低気圧周辺の下層暖湿気の影響で、大気の状態が非常に不安定となり、雷を伴って激しい雨が降り大雨となる所がある。土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水、落雷や突風、局地的 には竜巻などの激しい突風に注意。


⑤ 南西諸島と西~東日本では6日にかけて、高気圧に覆われて晴れて気温が上昇し、猛暑日となる所がある。

出典:気象庁

熱中症に注意(熱中症警戒アラートを参照)。

環境省のサイトへ。

3.数値予報資料解釈上の留意点

総観場は GSM を基本、量予想や降水分布は MSM や LFM も参考。

4.防災関連事項 [量的予報等]

①雨量(06 時からの 24 時間):北海道 100 mm。

②波浪(明日まで): 北海道 3m。

③高潮(明日まで):大潮の時期。西~東日本では注意報基準を超過する所がある。

5.全般気象情報発表の有無

発表の予定はない。

ASAS天気図を詳しく見よう

ASAS天気図は気象予報士試験で必ず出題されるので天気図に慣れ親しんでおきましょう。今回は、日本には直接影響することはないと予想されている南シナ海の台風11号を見てみましょう。

041800UTC SEP.2024 ASAS天気図抜粋

あまり意識していませんでしたが、いつの間にか中心気圧が935hPaまで発達していました。等圧線も密集していて風も結構強そうですね。ちなみに天気図の台風11号の下に書かれている[TW]はTYPHOON WARNING(海上台風警報)を表します。

それでは、台風11号に関するコメント文を読んでみましょう。

コメント文意味
T 2411 YAGI (2411)

935hPa

19.2N 116.3E PSN GOOD

WEST 07 KT

MAX WINDS 95 KT NEAR CENTER

GUST 135 KT

EXPECTED MAX WINDS 105 KT NEAR CENTER

WITHIN NEXT 24 HOURS

EXPECTED GUST 150 KT

OVER 50 KT WITHIN 80 NM

OVER 30 KT WITHIN 180 NM
台風(最大風速64KT以上) 24年 台風11号(名前:YAGI)

中心気圧935hPa

北緯19.2度 東経116.3度 位置の確度:正確(30NM以下)

西へ7ktで移動

中心付近の最大風速95kt

最大瞬間風速135kt

24時間以内に、中心付近の最大風速105ktが予想される



最大瞬間風速150kt

中心から80海里以内に50kt以上の風

中心から180海里以内に30kt以上の風

おまけ

天気記号クイズ🥳

問題1 下の天気記号はどのような気象現象を示しているでしょうか?それぞれに解答してください。

似てるけど、真ん中の矢印が①は↓で、②は↑だね。

答え

正解は、①「低い地ふぶき」、②「高い地ふぶき」です。

それぞれの上下の矢印た↓が低い、↑が高いを表しているわけですね。

地ふぶきとは、積雪のある場所で、積雪の表面にある雪粒子が風で飛び跳ねながら移動する現象を言います☃️空を見上げるときれいな青空で晴れていても、横を見ると舞った雪でほとんど周りが見えなくなったりします。

より詳細な意味は、

①・・・地ふぶき,弱又は並(見かけの視程500m以上),目の高さより低い

②・・・地ふぶき,弱又は並(視程500m以上),目の高さより高い。

気象予報士試験では、細かく問われる可能性があるので注意しましょう😳

問題2 下の天気記号はどのような気象現象を示しているでしょうか?

地ふぶきに似た矢印がありますが、今度はSが書かれていますね。

答え

正解は、「砂じんあらし」です。

詳細は、「砂じんあらし,弱又は並(視程500m以上)観測時前1時間内変化なし」です。砂じんあらしとは、塵や砂が強風により激しく吹き上げられ、空高くに舞い上がる現象です。砂漠や風の強い日の乾いた畑の近くで発生します。

Sは、sand(砂)の”S”と覚えることにしています。

問題3 下の天気記号はどのような気象現象を示しているでしょうか?

北海道など寒いところでしか見れませんが、すてきな現象です💍

答え

正解は、「細氷(ダイヤモンドダスト)」です☃️

ダイヤモンドダストとは、大気中の水蒸気が昇華(凝華)してできた、ごく小さな氷晶(氷の結晶)が降る現象です。よく晴れた朝など、気温が氷点下10℃以下の状態で発生します。日光で輝いて見えて、とてもきれいな現象です。

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