短期予報解説資料を読もう!24年9月8日

おはようございます☀️

今日も気象庁発表の短期予報解説資料を読んでいきましょう。

目次

短期予報解説資料 2024年9月8日03時40分発表

24年9月8日03時40分短期予報解説資料抜粋

1.実況上の着目点


① 前線が千島の東から東北地方を通り、日本海にのびている。前線に向かって下層暖湿気が流入し、前線近傍や暖域側では大気の状態が不安定となっている所があり、局地的に激しい雨を解析。

予想天気図降水量 1時間, 2024/09/08 03:00 (UTC+09:00), © Ventusky.com

前線沿いに雨が降ってそうですね。風が収束しているところに降水エコーがあります。


② 日本海西部には500hPaで -6°C以下の寒気を伴ったトラフがあって東進。


③ 南西諸島付近には300hPaで -30°C以下の寒気を伴った寒冷渦があって西進。また、日本の南には低圧部があってゆっくりと北北西進。上空寒気と低圧部周辺の下層暖湿気の影響で、大気の状態が不安定となっており、南西諸島の海上では局地的に猛烈な雨を解析。

予想天気図気温, 300 hPa, 9000 m, 2024/09/08 00:00 (UTC+09:00), © Ventusky.com

沖縄の南にピンクから白色の-30℃以下で反時計回りの寒冷渦が見えます。これは西へ進むようですね。

低圧部・・・高さ(気圧)の同じ面で、周囲よりも気圧(高度)が低く循環が弱くて、中心が特定できないところ。
等圧線が閉じた低気圧のように鮮明に天気図に表れないけど、周りよりも気圧が低いところを指す言葉のようですね。
天気図では、「L」または「低」で表示され、どちらも「低気圧または低圧部」を意味しています。
ちなみに高圧部の定義もあり、高さ(気圧)の同じ面で、周囲よりも気圧(高度)が高いが、閉じた等圧線(等高度線)が描けないところ、とされています。

2.主要じょう乱の予想根拠と防災事項を含む解説上の留意点


① 1項①の前線は、9日にかけて東北地方から東日本に南下する。前線に向かって太平洋高気圧の縁辺を回る下層暖湿気が流入し、1項②のトラフに伴う上空寒気や日射による昇温の影響が加わるため、大気の状態が不安定となり、雷を伴った激しい雨が降り大雨となる所がある。

東北地方~東日本では9日にかけて、土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水に注意・警戒し、落雷や突風、降ひょうに注意。

② 西日本では、太平洋高気圧を回る下層暖湿気が流入し、日射による昇温の影響も加わるため、大気の状態が不安定となる。西日本では8日は、落雷や突風、急な強い雨に注意。


③ 1項③の寒冷渦は、9日にかけて先島諸島から台湾付近に、低圧部は10日にかけて日本の南から先島諸島付近に進む。南西諸島では、引き続き9日にかけて上空寒気や低圧部周辺の下層暖湿気の影響で、大気の状態が不安定となり、雷を伴った激しい雨の降る所がある。

南西諸島では10日にかけて、土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水に注意・警戒し、落雷や突風に注意。また、西日本の太平洋側では10日は、低圧部周辺の下層暖湿気の影響で、大気の状態が不安定となり、雷を伴った激しい雨の降る所がある。土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水に注意・警戒し、落雷や突風に注意。

激しい雨・・・1時間雨量が30mm以上50mm未満


④ 8日夜から9日朝にかけて、北海道地方付近を500hPaで-15°C以下(平年差で‐3°C以下)の寒気を伴ったトラフが通過。対応する地上のシアーラインの影響で、大気の状態が非常に不安定となる。北海道地方では9日にかけて、落雷や竜巻などの激しい突風、降ひょう、急な強い雨に注意。


⑤ 9日にかけて、1項③の低圧部と日本海や黄海付近の高気圧との間で、気圧の傾きが大きくなり、強い風が吹いて、波が高くなる所がある。九州南部では9日は、南西諸島では9日にかけて、強風や高波に注意。

FSAS予想図

⑥ 東~西日本では 9日にかけて高気圧に覆われ、晴れて気温が上昇して猛暑日となる所がある。熱中症に注意(熱中症警戒アラートを参照)。

出典:気象庁

9日夜の天気図ですが、日本列島を移動性の高気圧が西から東に流れて行きます。

猛暑日・・・最高気温が35℃以上の日。

3.数値予報資料解釈上の留意点

総観場はGSMを基本、量予想や降水分布はMSMやLFMも参考。

4.防災関連事項[量的予報等]

①雨量(06時からの24時間):多い所(100mm以上)はない。

②波浪(明日まで):高い所(3m以上)はない。

③高潮(明日まで):東日本では注意報基準を超過する所がある。

5.全般気象情報発表の有無

発表の予定はない。

おまけ

気象予報士試験クイズ🥳

問題1 左の図と右の図はどちらがエルニーニョ現象でどちらがラニーニャ現象でしょう?

月平均海面水温平年偏差 出典:気象庁HP
答え

正解は、左が「エルニーニョ現象」、右が「ラニーニャ現象」です。

ときどき2つがごちゃごちゃになってしまうことがあるので定期的に復習しておきましょう。

一般的に、「エルニーニョが起きると日本は冷夏になる」と言われていますが、2023年のスーパーエルニーニョの時は日本は冷夏にならず、猛暑の夏になりました。あくまで「統計的に」ということなので、エルニーニョだから日本は例年より寒くなると短絡的に判断することは禁物です。

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