今日は飛行機の胴体の断面について考えていきましょう。
人を乗せて移動する乗り物は、車🚗・バス🚌・電車🚃といろいろありますね。
バスや電車を輪切りにすると断面は四角い場合が多いですよね( ´_ゝ`)フム
それは横幅が決められているとき、四角形が人やものを運ぶ上で最も空間を無駄にしないためです( ˘⬜︎ω⬜︎˘ )
ところが飛行機の断面は丸い形をしているものが多い気がしませんか?✈️
丸い形では同じ横幅の四角形と比べ、空間に無駄ができてしまいますね。
それでも飛行機が丸い胴体を採用するのには理由があるんです。
飛行機は大きくて硬い風船🎈
現在、飛行している旅客機の多くは高度10km以上、世界最高峰エベレストより高い高高度を飛行しています。
飛行機が飛ぶ上空1万メートルはおよそ0.26気圧しかありません。
地上が1気圧なのでその4分の1の気圧しかありません。
0.26気圧の世界をそのまま飛んでしまうと酸素が薄くなり人は酸欠で意識を保てません。
そのため飛行機はエンジンから吸い込んだ空気を機内に取り入れて客室を空気で膨らんだ風船のようにパンパンにしています。
これを「与圧」と言います。
与圧により高高度を飛行中の客室内は地上の気圧の80%くらいの気圧を維持しています。
与圧で旅客機内は0.8気圧程度を維持している
なぜ地上と同じ1気圧にしないのか。
与圧を行うと飛行機が膨らんだ風船のようになり、機体に中から外へ広がろうとする力が働きます。
飛行機の壁の1平方メートルあたりにおよそ5トンの力がかかっています。
5トンはおよそ象一頭分になります。🐘
1平方メートルは6人乗りのエレベーターくらいの床面積ですから、ゾウさんをそのくらいのスペースに押し込んでは出してを1日に何回も繰り返しているような負荷を飛行機は受けているんですね。
この力は機体にとって負担が大きいため、必要以上に与圧を行わないようにしているのです。
丸い形は与圧の力を均等にできる
なぜ飛行機の断面が丸い形なのかというと与圧により、機体にかかる力を様々な方向に分散できるためです。
もし四角形にしてしまうと力が偏ってかかってしまう場所ができてしまい、そこから大きな破壊が起こってしまいます。
機体全体に与圧の力を均等に分散するには丸に近い形の方が都合がいいのです。
潜水艦も丸い断面
飛行機の他に断面が丸い乗り物として潜水艦があります。
潜水艦は気圧ではなく、深い深海をもぐると水圧の危険にさらされます。
この時も水圧による船体への力を分散しやすいため、丸い形の胴体を採用しています。
ただ力の加わり方は飛行機の時と真逆になります。
飛行機の与圧では機体の内側から外へ広がろうとする力に対抗することになりますが、潜水艦では外側から船体の内側へ押しつぶそうとする水圧の力に対抗することになります。
全ての飛行機が丸い動体ではない
飛行機の胴体が丸い形の方が都合がいいことを書いてきましたが、全ての飛行機が丸い胴体ではないんです。
飛行機には小さなセスナ機など与圧が必要な高い高度を飛ぶことを想定していない機体もあります。
高い高度を飛ばない飛行機は空気が薄い場所を飛行しませんので、機体に与圧のための機能がありません。
与圧ができない飛行機は丸型の胴体にこだわる必要はないので積載量を重視して四角い形に設計されているものもあります。
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