飛行機雲はどうやってできるの? 知っておきたい飛行機雲の秘密

空を見上げると、時々白い線が空に伸びているのを見かけませんか? それは飛行機雲。飛行機が通った後にできる雲ですが、一体どうしてできるのでしょうか? 今回は、飛行機雲の秘密に迫ります!

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飛行機雲ってどんな雲?

飛行機雲は、飛行機が上空を飛んだ後にできる、細長い雲のこと。学術的には「航跡雲」と呼ばれます。晴れた日に見ることが多く、しばらくすると消えてしまうことが多いですよね。でも、どうして飛行機が通った後に雲ができるのでしょうか?

飛行機雲ができるメカニズム

飛行機雲ができる主な原因は、以下の3つです。

  1. 排気ガス中の水蒸気
    • 飛行機のエンジンは燃料を燃焼させる際に、水蒸気を排出します。
    • 上空は非常に寒いため、この水蒸気が冷やされて小さな水滴や氷の粒になります。
  2. 排気ガス中の微粒子
    • エンジンの排気ガスには、水蒸気が凝結する際の核となる微粒子(すすなど)が含まれています。
    • これらの微粒子が核となって水蒸気の凝結を促進します。
  3. 翼が生み出す気圧の変化
    • 飛行機の翼の周りでは、気圧が急激に変化します。
    • 翼の後ろ側では気圧が下がり、空気が急激に冷却されることで水蒸気が凝結しやすくなります。

これらの要素が組み合わさることで、飛行機雲が発生します。

飛行機雲の種類

飛行機雲には、大きく分けて2つのタイプがあります。

  • 短寿命の飛行機雲
    • すぐに消えてしまう飛行機雲。
    • 大気が乾燥している場合にできやすいです。
    • 水蒸気がすぐに蒸発してしまうため、長くは持続しません。
    • 乾燥しているため、今後も晴れの天気が続くと予想されます。
  • 長寿命の飛行機雲
    • 長く空に残る飛行機雲。
    • 大気が湿っている場合にできやすいです。
    • 水蒸気が蒸発しにくく、周囲の水分も集めて成長するため、長く持続します。
    • 時には、自然の雲と区別がつかなくなることもあります。
    • 湿っているため、天気が崩れる兆候とされることがあります。

飛行機雲と地球温暖化の関係?

近年、飛行機雲が地球温暖化に影響を与えている可能性が指摘されています。飛行機雲は太陽光を反射する一方で、地表からの熱を閉じ込める効果もあるため、温暖化を促進する可能性があると考えられています。

しかし、飛行機雲が温暖化に与える影響については、まだ研究段階であり、正確な評価は難しいのが現状です。

飛行機雲を見つけたら

空に飛行機雲を見つけたら、ぜひその形や変化を観察してみてください。
飛行機雲の寿命や広がり方から、上空の湿度や風の状況を推測することもできます。
もしかしたら、天気予報のヒントになるかもしれませんね!

9.11テロ後のアメリカ:飛行機雲の減少と気温の関係

2001年9月11日の同時多発テロ後、アメリカの航空交通は一時的に停止しました。この期間に、上空を飛行する航空機が激減し、普段は見慣れている飛行機雲がほとんど見られなくなったことで、気温に影響が出たことが研究によって示唆されています。

9.11テロ後の影響

テロ直後、FAA(米連邦航空局)はアメリカ上空を飛行する全ての航空機を最寄りの空港へ強制着陸させる緊急指令を出し、アメリカおよびカナダの空港は全て閉鎖されました。その結果、普段は多くの飛行機が行き交う空から飛行機雲が消え、その影響を観測する貴重な機会となりました。

飛行機雲と気温変化

飛行機雲は、太陽光を反射する効果と地表からの熱を閉じ込める効果の両方を持つため、気候に与える影響は複雑です。9.11テロ後の航空機運航停止により飛行機雲が減少した結果、地上に届く太陽光の量が増え、アメリカの平均気温がわずかに上昇したという研究結果があります。

まとめ

飛行機雲は、飛行機の排気ガスや翼が生み出す気圧の変化によってできる雲。
空を見上げた際には、ぜひ飛行機雲を探してみてください。
その背後にある科学的なメカニズムを知ることで、空の観察がさらに楽しくなるはずです。

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