こんにちは!
今回は日本の新明和工業が開発した救難飛行艇US-2について紹介しましょう。
どうです?めちゃめちゃかっこいいですよね!
こちらは海上自衛隊が運用するUS-2です。
飛行艇とは水上での離着陸が可能な航空機のことです。
日本は国土こそ狭いですが、多くの島を持ち、権利が及ぶ領海の面積は世界第6位の海洋国家です。
そんな日本にはUS-2のような水上でも陸上でも離着が可能なUS-2のような飛行艇が必要不可欠なんですね。
この飛行艇が注目を集めたのは2013年6月にニュースキャスターの辛坊治郎さんを救出した時でした。
US-2は太平洋をヨットで横断中に遭難したニュースキャスターの辛坊治郎さんら2人を、宮城県金華山沖約1200キロの海上で救助しました。
当時、辛坊治郎さんらは「ブラインドセーリング」プロジェクトで福島県いわき市小名浜港からカリフォルニア州サンディエゴへおよそ2ヶ月間の日程で太平洋を横断する航海を行っていました。
ところが宮城県金華山南東約1,200km沖合にてマッコウクジラと衝突し船が浸水。
それにより船艇を放棄し救命いかだへ避難していました。
その後、第71航空隊所属のUS-2が現場海域で漂流していた2人を救助しました。
US-2は2003年12月18日に初飛行を行った比較的新しい機種です。
波高3mの荒波でも離着水が可能な世界で唯一の救難飛行艇と言われています。
キャビンも従来の飛行艇と違い与圧式になっており、通常の旅客機が飛行している高高度を飛べるようになっています。
高高度を飛行できると低高度では迂回して回避しなければならなかった悪気象の上を飛び越えて飛行できるようになります。
一刻を争うような患者の搬送を行う航空機として有効な機能と言えますね。
波高3mの荒波で離着陸可能となるためにUS-2にはさまざまな工夫が施されてます。
①溝型波消し装置
もしUS-2のエンジンに海水がかかってしまうとそのエンジンは真水での洗浄が必要になり、運用に使用できなくなります。
US-2はエンジンに海水がかからないように溝型波消し装置が装備されています。
②スプレー・ストリップ
こちらも水の流れを横へ逃す装置です。
航空機の市場はボーイングやエアバスなど欧米企業がそのシェアの多くを占めております。
そこに日本企業も割って入ろうと、最近では三菱重工などがリージョナルジェットの開発を行いましたが、納期の延期を繰り返し2023年に開発が中止されました。
日本の航空機産業は国内市場が大きくないこともあり、国内の航空機開発の技術やノウハウがあまり育っていないのが現状です。
そのような中でも飛行艇の技術に関しては戦前から日本は世界のトップを走っています。
ただ新しい飛行艇が開発されるのは20年から30年のスパンになるため技術の継承が困難となっています。
この世界でも戦える飛行艇であるUS-2が官民問わず諸外国でも幅広く使用されれば日本の飛行艇技術は今後も発展していけるでしょう。
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