こんにちは。
今回は飛行機の寒さ対策について見ていきましょう。
飛行機は移動のための手段なので行く先々の気温にさらされます。
真冬の沖縄は平均気温18度くらいですが、北海道へ飛べば平均気温がマイナス10度以下の世界になります。
沖縄から半袖で飛行機に乗って新千歳へ行ったら急にダウンジャケットが必要な環境になります。
生身の人間には大変な環境変化ですよね。
また飛んでいる最中は機内は人間が生活しやすい心地よい温度を維持していますが、巡航高度である高度10000メートルの世界では外気温はマイナス50度の世界になります。
飛行機は50度以上の温度差を毎日何回も繰り返す過酷な仕事を行なっているんです。
します。凍ります。
飛行機はマイナス50度の世界を飛んでいるので水分が付着した状態でそこを飛べば凍ります。
飛行機は雲の中を飛ぶこともありますよね。
雲は水滴や氷の集まりなのでそこを飛べば機体は凍りついてしまい、翼の各部が動作しなくなり操縦に大きな影響を与えてしまいます。
そこで飛行機の各部には、凍って飛行に影響が起きるのを防ぐために様々な機能がついています。
コクピットの窓はパイロットの視界を確保する上でとても重要です。
コクピットは飛行機の進行方向前方にあり、雨も当たるし冷たい風も当たる。時には鳥が当たったりもします。
水分が付着した状態で冷たい場所を飛ぶとコクピットの窓も凍りつき、まるですりガラスのようになってしまい前が見えなくなってしまうんです。
こうなってしまうとパイロットの視界が奪われ、他の飛行機や山などを避けられなくなってしまいます。
それを防ぐために操縦室の窓には電熱ヒーターが装備されています。
この電熱ヒーターが操縦室の窓ガラスを暖めて凍りつくのを防ぎパイロットの視界を確保してくれます。
またガラスを温めることでガラスの耐衝撃性を保つ役割もあります。
エンジンの前方にも氷ができるのを防ぐ装置があります。
エンジンは掃除機のように大量の空気を吸い込む装置であり、冷たく湿った空気を吸い込んでいるとエンジンの空気取り入れ口のところで氷が形成されやすくなります。
エンジンの入り口で着氷が起きるとできた氷の塊がエンジンの中に入り込みエンジンにダメージを与える原因になります。
これを防ぐためにエンジンの前縁にはエンジンで作られた高音高圧の圧縮空気を内側から通過させ、氷が作られるのを防ぎます。
主翼の前方は冷たい空気をたくさん受けるため氷ができやすい場所になります。
主翼に氷ができると翼の形状が変わっていってしまい、飛行機が設計された時の性能を発揮できなくなります。
すると失速が発生し最悪の場合墜落に至ります。
これを防ぐために主翼前方にもエンジンからの高音高圧の圧縮空気を通過させ、氷が形成されるのを防ぎます。
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